
先日(2026年1月24日)ジョブチューンの番組で餃子の王将が麻婆豆腐を出し、見事合格していました。
この番組を見て、食べてみたいと思った人も多いのでは無いでしょうか。
餃子の王将が展開する「極王麻婆豆腐」は、「本格麻婆豆腐」をうたうメニューです。
しかしそれは四川基準での本格派なのか、それとも日本的に再構成された別物なのか。
そして実際に美味しいのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、
- 本場四川で重視される8つの判断軸
- 日本的な美味しさ
という2つの視点から、50店舗以上で麻婆豆腐を食べ歩いてきた筆者が、極王麻婆豆腐と通常の麻婆豆腐を食べてレビューします。
そこから本格であるのか、美味しいのか整理していきます。
結論を言うと極王麻婆豆腐は本格派ではなく、また日本式の麻婆豆腐としても価格不相応なものでした。
また、通常メニューの麻婆豆腐との違いもほぼみられませんでした。
実際どうなのか、詳しく解説します
極王麻婆豆腐とは?
極王麻婆豆腐とは、餃子の王将における極王シリーズの1品である麻婆豆腐のことです。
通常メニューにも麻婆豆腐は存在します。
そもそも餃子の王将とはなにか、極王シリーズとは、麻婆豆腐とは何かについて簡単に解説していきます。
餃子の王将とは

1967年に京都で、大東隆行によって創業された中華料理チェーンです。
モットーは「安く・早く・腹いっぱい」、全国どこでも同じ味を提供することを重視しています。
料理は日本人の舌に合わせた日式中華が中心で、本場にはないエビチリなどがメインメニューにあります。
極王シリーズとは
極王シリーズは、王将の中でも
- 原材料を少し良くする
- 調理工程を少し増やす
- 価格を少し上げる
という位置付けの従来メニューの「上位互換」ラインです。
通常より350円ほど高くなっています。
麻婆豆腐とは

麻婆豆腐とは1900年あたりに、中国四川省の麻婆(あばだのあるおばあさん)によって作られた料理です。
正式には陳麻婆豆腐と言われています。
本場では牛肉を使い、豆板醤とフアジャオにより味と香りを付けた豆腐料理です。
しかし陳健民が日本に輸入した際に牛肉が豚肉に、豆板醤だけでなく甜麵醬を加え、ごま油やラー油で香りつけされるようになりました。
ここに関しては陳麻婆豆腐と麻婆豆腐の違いとは?四川飯店は偽物?で詳しく解説してあるので、参考にしてください。
極王麻婆豆腐は本格派?まずい?

まず結論を言うと、極王麻婆豆腐は本格ではありません。

また、日本の中華になれている人も、本格を求めてる人にも満足できない味でしょう。まずくはないですが、麻婆豆腐としては値段不相応です。
極王麻婆は本格に寄りではあるが、本格ではない
四川の麻婆豆腐では、麻、辣、酥、香、鲜、嫩、整、烫という8つの判断軸が重視されます。
それぞれ花椒の痺れ・唐辛子の辛さ・肉のサクサク食感・香り・素材の鮮度とうま味・豆腐の柔らかさ・提供時の温かさのことです。
詳しくは本格麻婆豆腐の8文字『麻辣烫嫩酥香鮮整』とは?7・6文字についても解説で詳しく書いています。
麻【マー】花椒の痺れ
四川産の花椒を使っていて、こだわりは見られます。
本場の陳麻婆豆腐店では、漢源の花椒を使用しているそうです。
表面にかかっているが、痺れはごく弱く、存在確認レベルです。香りはします。
→ 弱い
辣【ラー】唐辛子の辛さ
香りは強めですが味は控えめで、若い豆板醤の青臭さが目立ちました。
ユウキ食品をそのまま入れたかのような味です。本来は炒めて使います。
本場で使われるピーシェン豆板醤は恐らく使用されていません。
コクが無く、豆板醤由来の旨味もありませんでした。
→ 弱い
酥【スー】肉の食感
肉そぼろは柔らかく、肉あんかけのようでした。サクサク感はほぼ無いです。
→ 弱い
鮮【シェン】素材の鮮度
肉は新しいものが使われていて、味は良かったです。
「豚肉と牛肉が使われている」とのことですが、ほぼ豚肉の香りで牛肉の香りはほぼありませんでした。
かなり比率が低いと思われます。
豆腐は形が綺麗で、食感は悪くない。ネギも葉ニンニクではないですが、綺麗なものが使われていました。
→ 良い
嫩【ネン】豆腐の柔らかさ
絹豆腐でした。水っぽさが気になりましたが、食感も悪くなく柔らかかったです。
→ 部分的に良い
香【シャン】
最初の花椒と豆板醤の香りは強い。
豆板醤の青臭さと、豆豉の発酵臭だけが目立つ。香りが分離しており、一体感は弱い。
→ 普通
整【ジェン】
豆腐の角が立っていて崩れてなく、無い部分はしっかりしていました。
餡との絡み具合はほぼ絡んでおらず、スープが残っていました。
→ 部分的に良い
燙【タン】温度
提供時の温度が低く、アツアツとは言い難いです。
→ 弱い
味はまずくはないが、日本風としても中途半端
豆腐と食材の鮮度に関しては及第点と言えるでしょう。甜麺醤の風味を強めに出さ無いのも四川風です。
本格に寄せた感じはありますが、豆板醤や豆鼓は四川風に加熱したほうが風味がよくなるでしょう。
牛肉を使うのも本格派ですが、かなり比率が低くほぼ豚の香りしかしませんでした。
本格派の人にとっては満足できるものではないでしょう。
逆に、日本の中華を求めている人にとってはどうでしょうか。
日式中華の麻婆豆腐では、牛肉を使わず火入れを弱めにする代わりに、甜麺醤でコクとメイラード反応由来の甘みを代用します。
しかし極王麻婆豆腐では甜麺醤があまり使われておらず、スープに頼っている印象がありました。
日式中華で評価されているコクも無く、日本風の美味しさでも無いです。
値段から考えると美味しくはない

- 四川料理としても、豆豉や豆板醤の癖を抑えきれていない
- 日式中華としても、甘みやコクが少ない
- 牛肉がほとんど入っていない
- シャバシャバで食感が悪い
税込980円ですが、中華街で1000円~1500円、街中華だと500~1000円程度だと考えるとコストパフォーマンスに劣っています。
極王麻婆豆腐と通常メニューの麻婆豆腐はほぼ同じ味

では極王ではない、通常の麻婆豆腐と比べてみるとどうなるのか、気になる人が多いのではないでしょうか。
実際に食べてみると、ほぼ違いが感じられませんでした。
言われれば微かに牛肉由来のコクや牛の香りが感じられますが、正直何も言われず出されたら気付かないレベルです。
通常メニューは税込605円ですが、これに+375円分の味の違いはありませんでした。
まとめ
極王麻婆豆腐は本格ではなく、子供やお年寄り向けで通常メニューとの差はほぼありませんでした。
子供やお年寄りであれば四川風を手軽に楽しめるメニューですが、中華街の麻婆豆腐をイメージしている人には向かないメニューです。
本物の麻婆豆腐を手軽に味わいたい人は、中国の陳麻婆豆腐本店が監修したヤマムロの陳麻婆豆腐のレトルトがおすすめです。



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